インターネットは、膨大な情報の宝庫です。膨大だからこそ、その情報を手動で収集し、解析するのは非常に労力がかかります。
ここで登場するのが「スクレイピング」です。
スクレイピングは、自動化されたプログラムを使ってウェブページからデータを収集し、解析するプロセスです。そして、そのプログラムを構築する事がPHPに出来ます。
今回の記事では、「PHPで始めるスクレイピング」と題して、webスクレイピングの世界への一歩を踏み出すための基本から応用までの情報を提供します。
以下のことがわかるようになります。
- PHPを使ってwebページからデータを取得する方法
- 取得したデータを解析し、必要な情報を抽出する方法
- スクレイピングの際に遵守すべきエチケットと法的注意事項
webスクレイピングは、情報収集、競合分析、SEO向上、ビジネスインテリジェンス、研究など、さまざまな用途に役立ちます。
このガイドを通じて、PHPを駆使してwebデータを取得し、解析するスキルを習得し、新たな可能性を探求してみてください。
目次
PHPスクレイピングのサンプルコード
<?php
// DOMDocumentを使用してWebスクレイピングする例
$url = 'https://example.com';
$dom = new DOMDocument();
libxml_use_internal_errors(true);
$dom->loadHTMLFile($url);
libxml_use_internal_errors(false);
$links = $dom->getElementsByTagName('a');
if ($links->length > 0) {
echo "抽出したリンク:\n";
foreach ($links as $link) {
$href = $link->getAttribute('href');
echo $href . "\n";
}
} else {
echo "リンクは見つかりませんでした。\n";
}
このコードでは、DOMDocumentを使用してHTMLコンテンツをパースし、aタグを取得してリンクを抽出しています。
DOMDocumentを使用すると、HTMLの構造をより正確に操作でき、スクレイピングの柔軟性が向上するためオススメな方法です。
JavaScriptの経験がある方であればDOM操作の理解が早いかと思われます。
DOMを使用して収集は可能ですが、より簡単に要素を探し出すためにブラウザ上からXpathをコピーして取得する方法もあります
$xpath = new DOMXPath($dom);
$links = $xpath->query('//a');
と、DOMXPathを使うこともできます。
JavaScriptで表示されるページのスクレイピングは苦手
webページによっては快適なUIの実装のためにSPA (Single Page Application)と呼ばれる、単一のページでJavaScriptを使用することでコンテンツの切り替えを行うwebアプリケーションが存在しており、JavaScriptを実行させないと表示されないコンテンツが存在します。
PHPによるスクレイピングは前述の方法で可能なのですが、JavaScriptを使用したコンテンツ表示を行っているwebページはスクレイピングする事ができません。
解決方法としてはPHP以外の言語を使用する必要があります。
中でもNode.jsを使用したpuppeteerライブラリを使った実装方法があります。
const puppeteer = require('puppeteer');
(async () => {
const browser = await puppeteer.launch();
const page = await browser.newPage();
await page.goto('https://example.com');
// ページ上のデータをスクレイピングする処理をここに追加
await browser.close();
})();
Node.jsとpuppeteerを使用したスクレイピングについてはこちらの記事で取り扱っています。
厳密にはPHPでもSeleniumを使用することでJavaScriptページのスクレイピングは可能なのですが、手間を考えるとNode.jsを使用した方が楽に構築できると個人的には思います。
スクレイピングの注意点
webスクレイピングは非常に有用な方法ですが、注意すべき法的および倫理的な問題があります。以下は、スクレイピングを行う際に注意すべき重要な事項です。
- webサイトの利用規約を確認
- webサイトは、スクレイピングを明示的に禁止することがあるため、最初にウェブサイトの利用規約を確認しましょう。利用規約に違反するスクレイピングは法的な問題を引き起こす可能性があります。
- robots.txtを尊重
- webサイトのrobots.txtファイルに記載された指示に従いましょう。このファイルには、クローラーやスクレイパーがアクセスすべきでないページやディレクトリが記述されています。
- 過度なリクエストを避ける
- サーバーに過度なリクエストを送信しないように注意しましょう。過度なトラフィックはwebサイトに負荷をかけ、サービスを妨げることがあります。適切なクローリング速度を設定しましょう。
- 個人情報の取得に注意
- ユーザーの個人情報を収集しないようにしましょう。個人情報の収集や悪用はプライバシー違反となり、法的な問題を引き起こす可能性があります。
- アクセス制限の回避を避ける
- webサイトがアクセス制限やCAPTCHAを導入している場合、それを回避する方法を使用しないようにしましょう。これは法的な問題となることがあります。
- 公開情報に限定
- スクレイピングで収集する情報は、公開された情報に限定しましょう。パスワードで保護されたページや非公開のデータを公開する事は違法になる可能性が高いです。
スクレイピングを行う際には、合法的で倫理的な方法で行動し、他のユーザーやwebサイトに対して配慮を持つことが重要です。
違法なスクレイピングは法的な問題を引き起こし、信頼性を損なう可能性があるため、慎重に行動しましょう。
最後に
以上、PHPでスクレイピングをする方法でした。
処理自体はさほど難しくはないのですが、法律や倫理的な問題が関わってくることを十分に注意しながら実装をしてください。
今回も、お疲れ様でした。
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