Synology Driveを設定したのですが、とても便利な物だったので使い方などをまとめていこうかと思います。
この記事では、Synology Driveの使い方を詳しく解説し、プライベートクラウドの構築と活用法についてご紹介します。
Synology Driveを利用することで、データのプライバシーを確保しながら、自宅や小規模ビジネス環境で効率的にファイル管理が可能になります。
これはGoogleドライブやOneDriveの代替として活用することができます。
本記事は、現在GoogleドライブやOneDriveを使用している方や、自由に容量の増設ができるNASを使ったファイル管理に興味がある方を対象にしています。
この記事を読めば、Synology Driveの導入と設定、さらに日常での活用法までを理解し、より安全で便利なファイル管理を実現できるようになります。
目次
Synology Driveの概要
Synology Driveは、Synology社が提供するNAS(ネットワークアタッチトストレージ)を基盤としたプライベートクラウドソリューションです。
Synology NASを利用することで、自宅やオフィスに独自のクラウドストレージ環境を構築でき、データの管理や共有を完全にコントロールできます。
外部HDDとして認識されるだけでなく、OSが動いているのでアプリケーションの差し替えをすることでクラウドストレージとしても活用することが可能となります。
GoogleドライブやOneDriveとの違い
ファイルの保存や共有、管理をするためにクラウドストレージサービスは多くの人々の生活やビジネスに不可欠な存在となっています。
GoogleドライブやOneDriveなどのパブリッククラウドサービスは、多くのユーザーに利用されていますが、プライバシーの問題やデータの所有権、容量制限について懸念がある方も多いのではないでしょうか。
ここで登場するのがSynology Driveです。
Synology Driveは、以下のような主要な機能を提供します
- ファイル同期と共有
- 複数のデバイス間でファイルを同期し、簡単に共有することができます。
- データ保護
- バージョン管理やバックアップ機能により、データを安全に保護します。
- アクセス管理
- ユーザーごとにアクセス権を設定し、セキュリティを強化します。
- 容量の追加
- データ容量は使用するHDDによって決まるため、GドライブやOneDriveなどのような月額課金は必要ありません。
- Officeファイルの更新
- Synology Driveに追加で導入する Synology Office を活用することでブラウザ上でOfficeファイルを更新できます。
これによりGoogleドライブやOneDriveと同様の機能を使う事ができ、データの所有権を外部企業に渡さずに大容量のストレージ環境を作る事ができます。
Synology Driveの利点
Synology Driveを利用する最大の利点は、プライバシーの確保とデータの完全な所有権です。
パブリッククラウドサービスでは、データが第三者のサーバーに保存されるため、プライバシーやデータの所有権に関する懸念が生じることがあります。
しかし、Synology Driveを利用することで、自宅やオフィス内のNASにデータを保存するため、データの所有権は完全にユーザーに帰属します。また、データへのアクセスはNAS内で完結するため、外部からの不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。
さらに、Synology Driveは高いカスタマイズ性を誇ります。ユーザーはNASの設定や同期フォルダの選定、アクセス権の設定など、自分のニーズに合わせて細かくカスタマイズすることができます。これにより、ビジネス用途でも個人用途でも、最適なクラウドストレージ環境を構築できます。
以下は、Synology Driveの主な利点をまとめたものです
- プライバシーの確保
- データは自宅やオフィス内のNASに保存されるため、プライバシーが確保されます。
- データの完全な所有権
- データの所有権はユーザーにあり、第三者に依存することがありません。
- 高いカスタマイズ性
- ユーザーのニーズに合わせて設定や同期フォルダ、アクセス権をカスタマイズできます。
- 信頼性と安全性
- データのバージョン管理やバックアップ機能により、データの安全性が保証されます。
- 容量の追加
- データ容量は使用するHDDによって決まるため、GドライブやOneDriveなどのような月額課金は必要ありません。
これらの利点により、Synology DriveはGoogleドライブやOneDriveに代わる有力な選択肢となっています。
次のセクションでは、Synology Driveの具体的なインストールと設定方法について詳しく解説していきます。
Synology Driveのインストールと設定
Synology NASの準備とDSMへのアクセス方法
Synology Driveを利用するための第一歩は、Synology NASの準備です。
ここでは、NASの基本的なセットアップとDSM(DiskStation Manager)へのアクセス方法について説明します。
Synology NASの基本セットアップ
- ハードウェアの接続
- Synology NASを電源に接続し、ネットワークケーブルをルーターまたはスイッチに接続します。
- 必要な場合は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)をNASに接続します。詳しい手順はNASのマニュアルを参照してください。
- 電源オン
- NASの電源を入れます。電源ボタンを長押しすると、NASが起動します。
DSMへのアクセス方法
- Synology Assistantの使用
- Synologyの公式サイトから「Synology Assistant」をダウンロードしてインストールします。
- Synology Assistantを起動し、ネットワーク内のNASを検出します。
- 検出されたNASを選択し、ブラウザでDSMにアクセスするためのリンクをクリックします。
- ブラウザでのアクセス
- ブラウザを開き、アドレスバーに「find.synology.com」と入力します。これにより、ネットワーク内のNASが自動的に検出されます。
- 検出されたNASを選択し、DSMにアクセスします。
- 初期設定ウィザードの完了
- 初回アクセス時には、DSMの初期設定ウィザードが表示されます。ウィザードに従って、管理者アカウントの設定や基本的なシステム設定を行います。
Synology Drive Serverのインストールと基本設定
次に、Synology Drive Serverのインストールと設定を行います。
これにより、NASをプライベートクラウドとして利用できるようになります。
Synology Drive Serverのインストール
- パッケージセンターを開く
- DSMのデスクトップから「パッケージセンター」をクリックして開きます。
- Synology Drive Serverの検索とインストール
- パッケージセンターの検索バーに「Synology Drive Server」と入力し、検索します。
- 検索結果から「Synology Drive Server」を選択し、「インストール」ボタンをクリックします。
- インストールが完了するまで待ちます。インストールが完了すると、Synology Drive Serverが起動します。
Synology Drive Serverの基本設定
- Synology Drive Admin Consoleへのアクセス
- DSMのメインメニューから「Synology Drive Admin Console」を開きます。
- (チーム内での共有をする場合のみ)同期フォルダの設定
- Admin Console内で、「チームフォルダ」タブを選択します。
- 「有効にする」ボタンをクリックし、同期したいフォルダを選択します。複数のフォルダを同期する場合は、それぞれのフォルダに対して同様の操作を行います。
- ユーザー権限の設定
- 「ユーザーおよびグループ」タブを選択し、ユーザーごとのアクセス権限を設定します。
- 必要に応じて、新しいユーザーやグループを追加し、適切なアクセス権限を付与します。
- その他の設定
- 「設定」タブで、バージョン管理や共有リンクの設定を行います。これにより、ファイルのバージョン管理や外部へのファイル共有が可能になります。
以上で、Synology Drive Serverの基本設定が完了です。
次のセクションでは、Synology Drive Clientの使用方法について詳しく説明します。
Synology Drive Clientの使用方法
クライアントのダウンロードとインストール
Synology Drive Clientは、パソコンやモバイルデバイスからSynology Driveにアクセスし、ファイルの同期を行うためのアプリケーションです。
以下の手順でクライアントをダウンロードし、インストールすることができます。
クライアントのダウンロード
- Synologyの公式サイトにアクセス
- ブラウザを開き、Synologyの公式サイト( https://www.synology.com/ )にアクセスします。
- ダウンロードページに移動
- メインメニューから「サポート」タブを選択し、「ダウンロードセンター」に移動します。
- デバイスの選択
- ダウンロードセンターで、自分のNASモデルを選択します。
- 「パッケージ」タブを選び、「Synology Drive Client」を検索します。
- クライアントのダウンロード
- 利用するOS(Windows、macOS、Linux)に対応したクライアントを選択し、ダウンロードリンクをクリックします。
クライアントのインストール
- インストーラーの実行
- ダウンロードしたインストーラーファイルを開き、インストールウィザードに従います。
- インストールの完了
- インストールが完了すると、Synology Drive Clientが自動的に起動します。
同期設定の方法とオプションの説明
Synology Drive Clientのインストールが完了したら、次に同期設定を行います。これにより、指定したフォルダのファイルが自動的にNASと同期されます。
同期設定の方法
- クライアントの起動
- Synology Drive Clientを起動します。
- NASへの接続
- NASのIPアドレスまたはQuickConnect IDを入力し、管理者アカウントでログインします。
- 同期フォルダの選択
- ローカルの同期フォルダとNAS上の同期フォルダを選択します。これにより、選択したフォルダ内のファイルが自動的に同期されます。
同期オプションの説明
- 双方向同期
- ローカルフォルダとNASフォルダの間で双方向にファイルを同期します。どちらかに変更があった場合、その変更が自動的にもう一方にも反映されます。
- 一方向同期(アップロード)
- ローカルフォルダからNASフォルダへ一方向にファイルを同期します。ローカルフォルダに変更があった場合のみ、その変更がNASに反映されます。
- 一方向同期(ダウンロード)
- NASフォルダからローカルフォルダへ一方向にファイルを同期します。NASフォルダに変更があった場合のみ、その変更がローカルに反映されます。
GoogleドライブやOneDriveとの比較
Synology Drive Clientは、GoogleドライブやOneDriveといったパブリッククラウドサービスと比較して、以下のような利点があります。
同期速度
- GoogleドライブやOneDrive
- 同期速度はインターネットの接続速度に依存します。特に大容量ファイルのアップロードやダウンロード時には、時間がかかる場合があります。
- Synology Drive
- ローカルネットワーク内での同期は非常に高速です。インターネットの帯域を使用しないため、大容量ファイルの同期も迅速に行えます。
カスタマイズ性
- GoogleドライブやOneDrive
- 一般的な設定オプションは揃っているものの、細かいカスタマイズは限られています。
- Synology Drive
- ユーザーのニーズに合わせた詳細な設定が可能です。同期フォルダの選択やアクセス権限のカスタマイズなど、柔軟に対応できます。
オフラインアクセス
- GoogleドライブやOneDrive
- オフラインアクセスはサポートされていますが、設定が必要であり、すべてのファイルがオフラインで利用できるわけではありません。
- Synology Drive
- 同期されたファイルはローカルフォルダに保存されるため、常にオフラインでアクセス可能です。外部へのネットワーク接続がない閉じられた環境でも、ファイルを利用することができます。
Synology Drive Clientを利用することで、GoogleドライブやOneDriveと比べて、より高速かつ柔軟にファイルを管理することができます。
次のセクションでは、ファイルの管理と共有について詳しく説明します。
ファイルの管理と共有
ファイルの操作
Synology Driveを使ってファイルを管理し、共有する方法は非常に簡単です。以下の手順でファイルのアップロード、ダウンロード、および共有リンクの作成を行えます。
ファイルのアップロード
Clientをセットアップ済みであれば同期しているフォルダに置くだけででアップロードができます。
以下ではClientを設定していない環境でもWebブラウザからアップロードする方法を解説しています。
- Webポータルにアクセス
- ブラウザでDSMにアクセスし、Synology DriveのWebポータルを開きます。
- NASのIPアドレスまたはQuickConnect IDを入力し、ログインします。
- ファイルのアップロード
- Webポータルの画面上部にある「アップロード」ボタンをクリックします。
- アップロードしたいファイルを選択し、指定したフォルダにドラッグアンドドロップします。
- アップロードが完了すると、ファイルが指定フォルダに保存されます。
ファイルのダウンロード
Clientを設定していれば即時アクセスできます。設定次第ですが、オンデマンドでは物理ファイルが無い状態でもファイル名などが確認でき、アクセスするとダウンロードが開始されます。
以下ではClient経由以外でも、Webブラウザからのダウンロード方法を解説します。
- Webポータルでファイルを選択
- ダウンロードしたいファイルを選択します。
- ダウンロードボタンをクリック
- 画面上部にある「ダウンロード」ボタンをクリックすると、ファイルがローカルデバイスにダウンロードされます。
共有リンクの作成
Synologyへ登録済みのユーザーへの共有や、オンライン上のゲストユーザーへアクセスできる共有リンクを作成することができます。
オンライン上からのアクセスをするためには別途 外部アクセス の設定を済ましておく必要があります。
- 共有したいファイルを選択
- Webポータルで共有したいファイルまたはフォルダを選択します。
- 共有リンクの作成
- 画面上部にある「共有」ボタンをクリックし、「共有リンクを作成」を選択します。
- リンクの有効期限やアクセス権限(読み取り専用、編集可能など)を設定します。
- 共有リンクをコピーし、メールやメッセージで他のユーザーと共有します。
チームフォルダの使用方法と利点
チームフォルダは、複数のユーザー間でファイルを共有し、共同作業を行うための便利な機能です。
以下は、チームフォルダの使用方法と利点です。
チームフォルダの設定
- Admin Consoleで設定
- Synology Drive Admin Consoleにアクセスし、「チームフォルダ」タブを選択します。
- フォルダの有効化
- 共有したいフォルダを選択し、「有効にする」ボタンをクリックします。
- ユーザー権限の設定
- チームフォルダのアクセス権限を設定し、ユーザーまたはグループに対して適切な権限(読み取り、書き込みなど)を付与します。
利点
- 効率的な共同作業
- チームメンバーがリアルタイムで同じファイルにアクセスし、編集やコメントを追加できます。
- バージョン管理
- ファイルの変更履歴が保存されているため、過去のバージョンに戻ることができます。
- セキュリティ強化
- アクセス権限を細かく設定できるため、ファイルの安全性が確保されます。
実際の使用例やユースケースを紹介
以下に、Synology Driveの実際の使用例やユースケースをいくつか紹介します。
例1:中小企業のファイル共有とバックアップ
中小企業では、Synology Driveを利用して社内のファイル共有とバックアップを行えます。
各部署ごとにチームフォルダを設定し、プロジェクトファイルやドキュメントを共同で編集・管理。また、定期的な自動バックアップを設定することで、データの損失を防ぎます。
例2:リモートワーク環境の構築
リモートワークを行う企業では、Synology Driveを使って従業員が自宅から安全に会社のファイルにアクセスできる環境を構築することができます。
各従業員には個別のアクセス権限が設定されており、機密データの保護も徹底することができます。
例3:個人ユーザーのデータ管理
個人ユーザーは、Synology Driveを利用して家庭内のデータを一元管理することが可能です。
写真やビデオのような大容量ファイルをバックアップとしてNASに保存し、家族間で簡単に共有します。また、外出先でもスマートフォンからファイルにアクセスできるため、利便性が向上します。
これらのユースケースからもわかるように、Synology Driveは様々なシチュエーションで効率的にファイル管理と共有を実現できる強力なツールです。
次のセクションでは、モバイルアプリの利用方法について詳しく説明します。
モバイルアプリの利用
モバイルアプリのダウンロードと設定方法
Synology Driveはモバイルデバイスでも利用可能で、専用のアプリを使うことで、どこからでも簡単にNASのファイルにアクセスできます。
以下は、モバイルアプリのダウンロードと設定方法です。
アプリのダウンロード
- アプリストアにアクセス
- iOSデバイスの場合はApp Store、Androidデバイスの場合はGoogle Playストアを開きます。
- アプリの検索
- 検索バーに「Synology Drive」と入力し、公式アプリを検索します。
- アプリのインストール
- 「インストール」ボタンをクリックし、アプリをダウンロードしてインストールします。
アプリの設定方法
- アプリの起動
- インストールが完了したら、Synology Driveアプリを起動します。
- NASへの接続
- アプリ内で「サーバーの追加」を選択し、NASのIPアドレスまたはQuickConnect IDを入力します。
- ユーザー名とパスワードを入力し、NASに接続します。
- 同期フォルダの設定
- アプリの設定メニューから、同期したいフォルダを選択します。
- 必要に応じて、同期の方向(双方向、アップロードのみ、ダウンロードのみ)を設定します。
モバイルからのファイルアクセスや共有の便利さ
Synology Driveのモバイルアプリを利用することで、外出先でも簡単にファイルにアクセスし、共有することができます。
以下は、その利便性についての具体例です。
ファイルアクセスの便利さ
- どこからでもアクセス可能
- インターネット接続があれば、どこからでもNASのファイルにアクセスできます。外出先や出張中でも必要なデータにすぐにアクセス可能です。
- オフラインアクセス
- 重要なファイルをオフラインで利用できるようにダウンロードしておくことができます。オフラインモードでは、インターネット接続がなくてもファイルを閲覧できます。
- リアルタイム同期
- モバイルデバイスでのファイル変更が即座にNASに反映され、他のデバイスでも最新のファイルにアクセスできます。
ファイル共有の便利さ
- 共有リンクの作成
- モバイルアプリから直接共有リンクを作成し、メールやメッセージで他のユーザーと共有できます。リンクには有効期限やパスワードを設定することも可能です。
- ファイルのアップロードとダウンロード
- モバイルデバイスで撮影した写真や動画をすぐにNASにアップロードできます。逆に、NASから必要なファイルをダウンロードして、デバイス上で利用することも簡単です。
- チームフォルダの利用
- チームフォルダを利用して、プロジェクトファイルやドキュメントをリアルタイムで共同編集できます。チームメンバーはいつでも最新のファイルにアクセスできます。
具体的なユースケース
- ビジネス利用
- 出張中のビジネスマンが、現地で撮影した資料やスキャンしたドキュメントをすぐにNASにアップロードし、オフィスの同僚と共有できます。
- 個人利用
- 家族旅行中に撮影した写真をリアルタイムでNASにアップロードし、自宅にいる家族ともすぐに共有できます。旅行中にデータを紛失するリスクを減らすことができます。
- 教育利用
- 学生が授業中に撮影したホワイトボードの写真や録音した講義の音声をNASにアップロードし、クラスメートと共有することができます。
Synology Driveのモバイルアプリは、外出先でもNASのファイルに簡単にアクセスし、共有することができる強力なツールです。
この利便性を活用することで、日常の業務や個人のデータ管理が大幅に効率化されます。
バックアップ機能の活用
Macユーザーであればパソコン全体のバックアップを作成するためにTime Machineを活用し、保存先をSynologyにすることができます。
Windowsであればローカルファイルを自動でSynologyへ同期するバックアップタスクもあるので Synology Drive Client と併用することが可能です。
バックアップタスクの作成とスケジュール設定
Synology Driveを利用すると、Synologyに置いたファイルを複数端末でのアクセスが可能です。これ以外にもローカルPCにだけ存在する重要なデータを自動的にSynologyへバックアップし、データの安全性を高める設定を行う事も可能です。
以下は、バックアップタスクの作成とスケジュール設定の手順です。
バックアップタスクの作成
- Synology Drive Clientへのアクセス
- バックアップを作成したいファイルが存在するマシンにセットアップ済みの「Synology Drive Client」を開きます。
- バックアップタブを選択
- 設定内の「バックアップ」タブをクリックします。
- 新しいバックアップタスクの作成
- 「新しいバックアップタスクを作成」をクリックします。
- バックアップ元のフォルダとバックアップ先のフォルダを指定します。
- 必要に応じて、バックアップのモードを選択します。
自動バックアップの利便性とデータ保護の強化
前述で紹介したバックアップタスクを利用することで、自動バックアップを実現することができます。
データ保護がさらに強化され、管理が容易になる利点があります。以下は、自動バックアップの利便性とその具体的なメリットです。
利便性
- 手動操作不要
- 一度設定すれば、バックアップはスケジュールに従って自動的に実行されます。これにより、手動でのバックアップ操作が不要になり、時間と労力を節約できます。
- 継続的なデータ保護
- 定期的なバックアップにより、常に最新のデータが保護されます。これにより、万が一のデータ損失時にも最新の状態に復元できます。
- 簡単な復元
- バックアップからのデータ復元は、数クリックで簡単に行えます。特定のファイルやフォルダだけを復元することも可能です。
データ保護の強化
- バージョン管理
- Synologyは、Driveの機能以外にも別途アプリケーションの設定をする事で複数のバックアップバージョンを保存することができます。これにより、特定の日時の状態にデータを復元することが可能です。
- 暗号化
- バックアップデータは暗号化することができ、セキュリティが強化されます。外部からの不正アクセスからデータを保護します。
- リモートバックアップ
- 同じネットワーク内の別のNASや、リモートサイトにあるNASへバックアップを行うこともできます。これにより、災害時のデータ保護が強化されます。
実際の使用例
- 企業のデータ保護
- 企業では、従業員のデータや重要なプロジェクトファイルを定期的にバックアップしています。これにより、システム障害やデータ損失時にも業務を迅速に復旧できます。
- 個人ユーザーのデータ管理
- 家庭で撮影した写真やビデオを定期的にNASにバックアップし、思い出のデータを長期的に保護しています。バックアップ設定により、自動的に最新の状態が保たれます。
- 教育機関での利用
- 学校や大学では、授業資料や研究データをNASにバックアップし、安全に保管しています。リモートバックアップ機能を活用し、災害時にもデータを保護しています。
自動バックアップ機能を活用することで、Synology Driveは重要なデータの安全性を大幅に向上させます。
設定は簡単で、継続的なデータ保護が可能となり、安心してデータを管理できます。
まとめ
Synology Driveの総合的な利便性とGoogleドライブやOneDriveからの乗り換えの推奨
Synology Driveは、プライベートクラウドソリューションとして非常に優れた機能を提供しています。
特に、以下の点でGoogleドライブやOneDriveと比較して利便性が高いといえます
- プライバシーの確保
- データが自宅やオフィス内のNASに保存されるため、第三者にアクセスされるリスクが低減されます。これは、個人情報や機密情報を扱うユーザーにとって大きなメリットです。
- データの完全な所有権
- データの所有権は完全にユーザーにあり、外部のクラウドプロバイダーに依存することがありません。これにより、データ管理の柔軟性が大幅に向上します。
- 高いカスタマイズ性
- 同期フォルダやアクセス権限の細かい設定が可能で、ユーザーのニーズに合わせた柔軟な運用ができます。これにより、ビジネス用途や個人用途問わず、最適な設定が可能です。
- コストパフォーマンス
- 大容量データの保存に対するコストが、長期的にはパブリッククラウドサービスよりも経済的です。初期投資が必要ですが、月額費用を抑えつつ大容量データを管理できます。
これらの理由から、現在GoogleドライブやOneDriveを利用しているユーザーに対して、Synology Driveへの乗り換えを推奨できます。
設定や使用に関するTipsやトラブルシューティングの紹介
設定に関するTips
- 定期的なファームウェアアップデート
- Synology NASのファームウェアを最新の状態に保つことで、セキュリティや機能の向上を図ることができます。DSMの設定メニューから簡単にアップデートを確認できます。
- ユーザーアクセス権の管理
- 各ユーザーのアクセス権限を適切に設定し、必要最低限の権限を付与することで、データのセキュリティを強化します。特にチームフォルダを利用する場合は、権限設定が重要です。
- ネットワーク設定の最適化
- NASと接続するネットワークの設定を最適化することで、データ転送速度を向上させることができます。ギガビットイーサネットやWi-Fi 6などの高速ネットワーク環境を活用しましょう。
トラブルシューティング
- 接続の問題
- NASへの接続が不安定な場合、ネットワークケーブルの確認やルーターの再起動を試みます。また、DSMのネットワーク設定でIPアドレスの競合がないか確認します。
- 同期の問題
- ファイルの同期がうまくいかない場合、同期設定を再確認し、必要に応じて再設定します。また、クライアントアプリケーションの再インストールやキャッシュのクリアも効果的です。
- ストレージ容量の問題
- NASのストレージ容量が不足している場合、不要なファイルを削除するか、追加のハードディスクを導入してストレージを拡張します。DSMのストレージマネージャーで容量を確認し、最適化を図ります。
- パフォーマンスの問題
- NASのパフォーマンスが低下している場合、定期的なメンテナンスやキャッシュのクリア、不要なサービスの無効化を行います。また、メモリの増設やSSDキャッシュの導入も有効です。
これらのTipsやトラブルシューティングを活用することで、Synology Driveをより効果的に利用し、快適なクラウド環境を維持できます。
Synology Driveの導入により、プライバシーを守りながら、効率的なデータ管理と共有を実現しましょう。
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