WordPressプラグイン「Contact Manager」の脆弱性CVE-2025-1028とその対応策

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WordPressを運用しているWeb制作会社や個人運営者向けに、最近発見された脆弱性「CVE-2025-1028」について詳しく解説します。

本記事では、この脆弱性がどのような影響を及ぼすのか、どのように対処すればよいのかを分かりやすく説明します。

安全なサイト運営を続けるために、ぜひ最後までお読みください。

Contact Managerプラグインとは?

「Contact Manager」は、WordPressのコンタクトフォームを簡単に管理できるプラグインです。ユーザーは、投稿やページ、ウィジェット内にフォームを設置し、訪問者からの問い合わせを受け取ることができます。また、無制限のフォーム作成や、カスタマイズ性の高さが特徴で、CAPTCHAの選択機能や、メッセージのデータベース保存機能も備えています。

有効インストール数は 100+ となっているため、そこまで多くないインストール数となっています。

公式サイト:Contact Manager – WordPress Plugins

CVE-2025-1028の脆弱性とは?

このプラグインのバージョン8.6.4以前には、ファイルアップロード機能において適切な検証が行われておらず、レースコンディションという脆弱性が存在します。これにより、攻撃者が不正なファイルをアップロードし、特定の条件下でリモートコード実行(RCE)が可能になる危険性があります。

さらに、この脆弱性は認証不要で悪用できるため、企業サイトやECサイト、個人ブログなど幅広いWordPressサイトが影響を受ける可能性があります。特に、ユーザーがファイルをアップロードできる機能を持つサイトは、リスクが高まるため注意が必要です。

脆弱性の詳細: NVD CVE-2025-1028

影響範囲とリスク

  • 認証なしで攻撃可能:攻撃者が直接不正なファイルをアップロードできる
  • リモートコード実行(RCE)の可能性:特定の環境下でサーバーが危険にさらされる
  • サイト改ざんのリスク:アップロードされた悪意のあるスクリプトが実行されると、サイトが乗っ取られる可能性がある
  • 個人情報流出の危険性:改ざんされたサイトを通じて、訪問者のデータが盗まれる可能性がある

修正方法と対応策

公式による対応方法

  • 開発者が問題を修正済みで、バージョン8.6.5をリリース
  • よって、最新バージョンへのアップデートが必須

影響を受けているかの確認方法

  1. WordPressの管理画面から、「Contact Manager」プラグインのバージョンを確認
  2. サーバーのアップロードフォルダ内に不審なファイルがないかチェック

ソースコード変更点とその影響

該当プラグインはWordPress公式からダウンロードできるため、変更点がtracで参照できます。

プラグインの変更履歴(8.6.4→8.6.5)

この変更点からわかることは、開発者は、.htaccessを活用してアップロードフォルダのセキュリティを強化しました。

  • 追加されたセキュリティ対策
    • .htaccessでアップロードフォルダへの拡張子による直接アクセスを制限
    • 実行可能なスクリプトを制限し、不正なコード実行を防止
  • 推測される未対応の点
    • ファイルアップロード時のMIMEタイプ検証は強化されていない
    • nginxを使用しているWordPressでは、.htaccessの設定が適用されないため、この変更が機能しない可能性があります。
      • そのため、nginxの設定ファイルで適切なセキュリティ対策を行う必要があります。例えば、locationディレクティブを使用して特定のファイルの実行を制限するなどの対応が求められます。
    • さらなるセキュリティ強化のためには、WordPressのセキュリティプラグインの導入が必要かもしれない

レースコンディションとは?

この脆弱性の中で特に注意すべき点がレースコンディションです。

レースコンディションとは、複数の処理が同時に実行される際に、処理の順番やタイミングのズレによって予期しない動作が発生する現象です。

例えば、Webアプリケーションでファイルがアップロードされる際に、意図した処理の完了前に処理が開始されてしまい、未完全なデータが実行されるケースなどが該当します。

今回の脆弱性では、アップロード処理が完了する前にファイルが処理されることで、攻撃者が任意のコードを実行できる可能性があります。

ソースコードの変更点を確認した限りでは特定のサービスを利用することでファイルアップロードを実現しているようですが、一時的なファイル保持をする処理によってこのレースコンディションが発生してしまいます。

対策として考えられる方法

  • アップロード処理の厳格な順序管理
  • ファイルが完全に保存される前の実行を防ぐ制限の導入

アップデートができない場合の一時的な対策

  • プラグインの無効化(最も確実な方法)
  • Web Application Firewall(WAF)を設定し、不正なアクセスをブロック
  • アップロード可能なファイルタイプを制限し、危険なスクリプトの実行を防ぐ

今後のリスク管理とセキュリティ対策

WordPressのセキュリティを強化するために、次の対策を推奨します。

  • プラグインの定期的な更新(最新版へのアップデートを怠らない)
  • セキュリティプラグインの導入(Wordfenceなどを活用)
  • 定期的なバックアップ取得(不測の事態に備える)
  • サーバーのアクセス制限を強化(不要なスクリプトの実行をブロック)

参考リンク

以下は、本記事内で紹介した参考リンクです。

まとめ

CVE-2025-1028は、WordPressの「Contact Manager」プラグインにおいて、認証不要で任意のファイルをアップロード可能な重大な脆弱性です。

最新バージョン(8.6.5)へのアップデートが必須であり、未対応のままだとサイトの乗っ取りや情報漏えいの危険性があります。

また、日々の運用でのセキュリティ対策を強化し、定期的な脆弱性チェックや適切なアクセス制限を実施することが重要です。

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