[CVE-2025-4610] WP-Membersプラグインに発生した保存型XSSの脆弱性を解説

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2025年5月中旬、WordPressの会員制サイト向けプラグイン「WP-Members」に保存型クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性が発見されました。本記事では、この脆弱性の内容とその対策について詳しく解説します。

脆弱性の概要

  • 影響プラグイン:WP-Members Membership Plugin
  • 影響バージョン:3.5.2以下
  • CVE ID:CVE-2025-4610
  • 深刻度(CVSS v3.1):6.4(中程度)
  • 脆弱性の種類:保存型クロスサイトスクリプティング(Stored XSS)
  • 対象ユーザー:投稿者(Contributor)以上の権限を持つユーザー
  • 公開日:2025年5月16日
  • 発見者:muhammad yudha 氏(Wordfence 脆弱性データベースより)

どのような問題か?

この脆弱性は、WP-Members プラグインが提供する [wpmem_user_memberships] というショートコードの処理において、入力値のエスケープが不十分だったことに起因しています。

その結果、投稿者以上のユーザー(ログイン権限がすでに付与されているユーザー)が悪意のある JavaScript コードをショートコードのパラメータに含めて投稿することで、他のユーザーのブラウザ上で悪意のあるJavaScriptが実行されてしまう可能性があります。

影響する可能性のあるケース

以下のような状況にあるサイトは、特に注意が必要です

  • 投稿者以上のユーザーが複数存在するサイト(マルチユーザーサイト)
  • ユーザーが自由にショートコードを投稿に使える構成
  • サイトにセキュリティ対策が十分に施されていない場合

被害例としては、以下のようなものが考えられます

  • ユーザーのセッション情報が盗まれる
  • 悪意あるリダイレクトやフィッシングページに誘導される
  • サイトの見た目や表示内容が改ざんされる

対策方法

以下の対策を早急に実施してください

1. プラグインを最新バージョンに更新

脆弱性の影響を防ぐためには、WP-Members プラグインを 最新版(3.5.3)へアップデートすることが最も重要です。

2. 投稿者以上のユーザー権限を見直す

投稿者や寄稿者など、記事投稿権限のあるユーザーが不必要に多い場合は、権限の見直しを行いましょう。最低限の信頼されたユーザーのみに制限するのが理想です。

3. セキュリティプラグインの導入

Wordfenceなどのセキュリティプラグインを導入することで、XSSなどの攻撃の兆候を検出・ブロックすることができます。

4. サイトの脆弱性診断を定期的に行う

MozCheckのようなWordPress専門の診断ツールを活用して、潜在的なリスクを可視化しましょう。

おわりに

今回の脆弱性は、WordPressの管理者だけでなく、ユーザーが投稿機能を持つサイト全体に影響を与える可能性があります。特にショートコード機能は便利な反面、入力処理に不備があると攻撃の温床になります。

WordPressサイトを安全に保つためには、「アップデート」「権限管理」「診断」の三本柱が欠かせません。

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