「いつかやろう」と自分に言い聞かせながら、重要なタスクを後回しにしてしまった経験はありませんか?
私はシステムエンジニアとしてキャリアを築きながら、この先延ばし癖と長年戦ってきました。
運用しているシステムのエラーや緊急のバグ対応をこなしながら、長期に取り組んでいた新しいプロジェクトの期限が迫る中で、この先延ばし癖がもたらすストレスと焦りは計り知れません。
しかし、実際にその癖を克服した今、私がシステム制作の現場で実践した具体的な方法を共有したいと思います。これらのテクニックや考え方が、あなたと同じ癖を解消するために役にたてば幸いです。
目次
システム制作の現場での課題
システムエンジニアと言うお仕事は、成果物のイメージがしにくく、作っただけでは売上に直結はしないので、常に厳しい締め切りと複雑な要求のバランスを取りながら作業を進めています。
新しいプロジェクトが始まるごとに楽しいと思える高揚感と同時に、やるべき仕事の山に圧倒されることもあります。
一つのミスがプロジェクト全体に波及する可能性があるため、正確さと速さは常に求められます。そして、そこに先延ばし癖が加わると、その圧力はさらに増大します。
私が直面する課題は、予期せぬバグや問題が生じた時に、それをただちに解決するか、または後で対処するかの判断を常に迫られることです。
この決断を誤ると、プロジェクトの制作期間が大きく狂い、チーム全体の作業に影響を及ぼすことになります。先延ばし癖は、このような状況をさらに悪化させる可能性があり、優先順位を正しく設定し、効率的な作業フローを維持することが不可欠です。
先延ばしを打破するための実践的な戦略
先延ばしの習慣を断ち切るためには、単に意志力に頼るのではなく、実践的な戦略が必要です。
システム制作における無数の決断とタスクを管理するにあたり、私は次のような戦略をとったことがあります。
流されずに先延ばす物を決める
まずは先延ばしをしてしまう原因は、別の事を先延ばししなかった事だと理解します。
SNSを見る事を優先したために時間が取られて、やるべき作業を先延ばししてしまったように、今取り組んでいるシステム制作のプロジェクトを先延ばししてバグ対応をしたりするからプロジェクトが先延ばしされてしまうのです。
要するに犠牲にする物を適切に見極めるのが大切です。
あらゆるタスクを一つの所にまとめて、整理と分解
とにかく頭の中にある気になる事を書き出します。
注力しているプロジェクトに関することや、買わないといけない砂糖の替えでも、次のプロジェクトやアイデアの塊でも。
全て書き出した後に
- やるべき事
- 2分でやれる -> 今やる
- 1アクションで実行できない事なら分解して書き出したリストに追加しなおす
- 買い物など今居る場所では出来ないなら「<場所>」リストに移動
- 今取り組んでいるプロジェクト(案件名や旅行等)に関する事「<プロジェクト名>」のリストに移動
- 今やらなくても良いが余裕が出来たらやりたい事「後でやる」リストに移動
- やらない事
- 依頼したタスクや将来の予定「待機」のリストに移動
- 残しておきたいもの「アイデア」「資料」のリストに移動
と整理や分解を行います。
これらは状況によって変化していくので朝の作業始めや目の前の作業の気晴らしをしたい時など、常にリストを見直していく必要があります。
このリストの性質上、プロジェクトのリストの中に「やる事」「やらない事」が混ざってしまいやすいのですが、達成しなければいけないプロジェクトのみを作成して、やる事のみを残す事でリストの停滞を防ぐようにしましょう。
これは GTD と呼ばれるタスク管理方法の応用で、自己流の方法が混ざっています。
優先度の設定
その時の重要度や緊急度を評価し、その優先順位をつけます。
注意点としては全ての順位ではなく「まずはこれだけを先にやる」程度の順位にして、目の前の事に集中しやすいリストとして整えます
ポモドーロテクニックの応用
25分間集中して作業し、5分間の休憩を挟むことで、継続的な集中力を保ちます。このリズムは作業のモメンタムを生み出し、先延ばしを防ぎます。
スパンとしては25分でやるのが有名で、これが出来れば良いのですが、個人的には息苦しさを感じてしまった面もあったので
- お昼の時間は絶対12時に
- 15時にはお茶休憩
- 19時には夕飯を食べる
など、休憩する時間を移動しない事で一時的ではない継続的な集中力を高めていく努力をしていきます。
環境の整備
作業スペースを整理整頓し、清潔感を保ちます。暑い寒いに対応したり、良いイスを買ったり。
物理的なもの以外にも、デジタルツールを使用して通知を制限し、他のことに気を取られずに集中力を保つための環境を作り出す事で先延ばししにくい環境になります。
ご褒美の設定
タスク完了後には小さな報酬を用意します。
好きなアイドルのSNSを30分だけ見たり調べたり、甘い物が好きならデラックスお手製ドリンクを試してみたり。
これはモチベーションの維持に役立ち、何より気晴らしになります。
リストを正確に作りすぎると「あれもやってこれもやって、これ終わってもまだあっちやらないとな…」と気が滅入ってくるので、タスクへの取り組みを楽しみに変えることができます。
プロジェクト管理ツールと通知サービスの活用
プロジェクトを効果的に管理し、先延ばし癖を乗り越えるためには、適切なツールの選択が鍵となります。以下に、私が実際に利用して効果を実感したツールと通知サービスを紹介します。
プロジェクト管理ツールの導入
タスクを視覚化し、進捗を追跡できるプロジェクト管理ツールは、日々の作業を整理するのに欠かせません。
私はRedmineやBacklogのようなツールを使い、タスクを作成し、それらを「未着手」「進行中」「完了」のカテゴリに分類しました。これにより、一目で全体の状況を把握でき、次に取り組むべきタスクが明確になります。
通知サービスを活用する
メールの通知やSlackなどのチャットツールを使って、チームメンバーとのコミュニケーションはもちろん、やるべき事を通知するようにして効率化します。
これらのサービスは、重要な情報をリアルタイムで共有し、必要な時には集中を促すリマインダーとしても機能します。しかし、不要な通知は集中を妨げるため、重要なタスクに集中する時間帯は通知をミュートすることを忘れないでください。
自動化の活用
タスクの自動化は、反復作業から解放されるための有効な手段です。
IFTTTやZapierなどのサービスやGoogleAppsScript、PHPを使用した業務効率化ツールを開発し、簡単なタスクを自動化することで、より重要な作業に時間を割けるようになります。
これらのツールとサービスの組み合わせを使うことで、私はプロジェクト管理をよりスムーズにし、先延ばし癖に打ち勝つことができました。
先延ばし癖を治すために今日から出来る事
長年の習慣を変えるのは一朝一夕にはいかないかもしれませんが、今日から始めることができる小さなステップがあります。以下は、すぐに実行でき、時間が経つにつれて大きな変化をもたらす行動です。
- 今日のタスクリストを作成
- 今から始められるのが、今日のタスクリストを作成することです。大きなタスクを小さなアクションに分割し、今日できる事に集中しましょう。
- 小さなタスクから始める
- 何か大きなタスクに取り掛かる前に、2分以内で完了できる小さなタスクをいくつか片付けてみましょう。これにより、達成感を得て大きなタスクに取り掛かる弾みになります。
- 作業環境を整える
- 作業スペースの整理を行い、必要なものだけを手元に置くことで、集中力を高めます。雑多な物は気を散らす原因になります。
- 「なぜ」を明確にする
- なぜそのタスクをする必要があるのか、その目的をはっきりさせることで、行動に意味を持たせます。これはモチベーションの維持や、そもそもやる必要が無かったと気付かされます。
- 定期的な休憩を取る
- 長時間の作業は逆効果になり得ます。定期的に短い休憩を取り、リフレッシュすることで、今やらなくても良い事に気づくことができます。
- やる事を宣言する
- 友人や同僚に目標を共有し、進捗を報告することで、今取り組んでいる事がどんな目的があるのか自分自身でも理解するきっかけになります。
- 自己反省の習慣を持つ
- 日の終わりには、その日の作業を振り返り、何がうまくいったか、どこが改善できるかを評価します。これは次の日の計画に役立てられます。
先延ばし癖を克服するために今すぐ取り組める実用的な行動を紹介しました。
これらのステップは、即実行可能であり、日常的に実践することで、長期的な習慣の変化へとつながります。
まとめ
この記事を通じて、システム制作の現場から学んだ先延ばし癖を克服するための戦略を共有しました。
私たちは、課題の認識から始め、実用的な戦略の導入、効果的なツールの活用、そして日々の習慣の変化に至るまで、先延ばし癖に対処するための具体的な方法を探求してきました。
最終的に、先延ばし癖の克服は一日にしてならず、一貫した努力と自己認識、そして適切なツールの使用が重要です。
この記事があなたの先延ばし癖を克服し、より生産的な日々を送るための一助となれば幸いです。始めるのに遅すぎることはありません。今日から少しずつ、変化を感じる第一歩を踏み出しましょう。
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